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合気道の道場を開くには -7


最近、高校生の女の子のお母さんから、ちゃんと出来ていますかみたいなことを聞かれて、出来てますよ、上手ですよというようなことを答えていた。するとお母さんは「すぐ、疲れたとか言うんですよ」と、日常面のことをおっしゃった。

体力がついてないんだろうか。稽古のときは、疲れている様子はないんだけれど。

その次の稽古のときにこの女の子が入ってくる様子を見ていたら、普段の姿勢がこうだったら、なるほど疲れるはずだと思った。リュックを背中に、猫背になってる。生活全体からすれば、稽古の時間なんてほんのわずか。稽古のときだけ良くても、普段がダメなら健康面にはほとんど意味がない。

養神館合気道の構えは、軽く前に倒れようとするのを支えている形だ。形だけが身についても、どうしてこうなっているのかが理解できてないと、荷物を持ったりするとダメなのかもしれない。

筋力が有り余っている人なら、そんなことは感じないかもしれない。でも華奢だったり、加齢で筋力が衰えてくると、合理的な動き方を理解していないと、生活の質が下がってしまいそうだ。

荷物を持っているとき、電車で立っているときなどなど、ほとんど合気道の稽古と同じはずなんだけど。

私も会社にいれば、ずっとパソコンに向かっているし、電車の中からスマホでメールのやりとりをすることもある。そういうときは、どうしてもダメ。パソコンやスマホを使うことで、時間的には効率的だけど、良くない姿勢や目と脳ばかり使うという人間としては偏ったことをしている。

せめてそれ以外のときは、できるだけ荷物も含めて自分の重みをどう扱うかということを意識していないと、バランスが取れない。

合気道は自然の理合いでできているはずだから、日常にも活かせるはず。塩田剛三先生は植芝盛平先生がよくおっしゃられていたと著書でも触れられている「合気即生活」が、合気道の稽古の本質だと思う。

でもそれを、限られた稽古の時間の中で、どう伝える? 

技の稽古の中に、どう入れられる?

道場を出す準備をしながら、3ヶ月ほど前から体験の人や白帯の人たちに指導するときは、そんな考えを織り込みながら、試行錯誤させてもらった。

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