精晟会渋谷は、これまで所属する道場の人たちが住んでいる場所とは離れた場所で始めるので、もっとも大変なのは手伝ってくれる人をどうするかと、どうやって入会者を募るかです。
合気道の道場は、ひとりじゃ出来ないですし、入ってくれる人がいなければ意味がないし成り立ちません。
でもそんなことを書いていると、あと数回は書かなきゃいけなくなるのでやめておきます。
精晟会渋谷は明日9月1日スタートなので、これで最終回です。
最後に書くのは、挨拶をするというテーマ。精晟会渋谷は、精晟会横浜青葉支部傘下の道場なので、養神館本部へは師範から通していただいています。
問題は私の養神館合気道以外でのつながり。私は昨年末まで、杖道をやっていました。
杖道というのは、警察署の前でおまわりさんが棒を持って立っていますが、簡単に言えばあれみたいなものです。杖道は、江戸時代には各地にあった様々な流派の杖術を、剣道連盟が制定型としてまとめました。警察の警杖術を中心になって作られたのは、警視庁の神道夢想流の先生だということです。
私が所属していたのは神道夢想流の道場で、制定型もやっているという団体の本部道場でした。入るまで知らなかったのですが、古流だと言っています。弊習武道もいっぱいあります。
私はいろんな武道の様々な道場を知っているつもりですが、この道場の作法はわからないことだらけでした。作法というと大げさに思えますが、たとえば袴の裾が床からどの位置にあるか、などで着付けがダメだと言われたりしますし。序列の基準さえ、わかりませんでした。これって現代的な武道の人には、異次元の世界だと思います。
その道場には免許皆伝の先生が何人もいらっしゃるのですが、道場長は神道夢想流の免許皆伝だけではなく、合気道の師範でもありました。養神館とは異なる流派の師範です。しかも区の合気道団体の代表者でもあります。
精晟会渋谷の教室のひとつは、同じ区内にあり、借りる契約するときから、どうしようと引っかかっていました。ご挨拶しておくのが筋なのかどうか。もう私は道場を辞めているのだから、関係はないといえばない。それに区の団体からすれば取るにたらない規模だから、まったく気にされないかもしれない。
しかし何もお知らせせずに、始めてしまっていいんだろうか。古流の道場長に対しての作法も、私にはわからないし。でも古流はともかく、レベルや流派の違いはあれ、同じ合気道をする者として不義理だし、失礼じゃないのか。などなど、あれこれ考えた結果、お世話になった先生にお知らせするのは、人として当然だろうという結論になりました。
結論は出たものの、どうやってお知らせするのかというところで、またまた悶々とします(笑)
道場まで出向いて、お話するのが筋かどうか。
実は古流の道場を退会したあと、杖道三段の免状が届いたから、道場まで取りに来るようにと道場長からご連絡がありました。確かにそれが筋でしょう。道場まで出向きましたが、さすがにニコニコしながらとはいきません。そもそも稽古中は歯を見せるなという道場ですから、和やかな雰囲気ではありません。私をよく知る人なら、笑わずに稽古してただなんて信じられないでしょうが、どんな顔で稽古していたのか自分でも想像できません(笑)
じゃあ合気道の道場の方に行くかといえば、流派が違うところに私事で気軽に行っていいのかと悩むところ。私自身は他の流派の方々と交流もありますし、それほど気にしませんが相手があること。
最終的に、時間を取ってもらうのも大げさだしと、メールでお知らせすることにしました。
何もお知らせせずに始めるのも失礼だと考え、ご連絡させていただきましたという趣旨で。
すると翌日返信が。
おめでとうございますと、合気道の道場名とともに書かれていました。
ああ、やっぱり筋が通ってるなぁ。お知らせして、良かったです。
ありがとうございます。
挨拶するというよりも筋を通す、みたいなテーマになってしまいましたが、
読んでいただいた皆様にもごあいさつを。
養神館合気道 精晟会渋谷は明日9月1日木曜日から、稽古を始めます。これから、よろしくお願いいたします。