養神館合気道 渋谷合気道会の会員に、
いろいろ聞いてみました。
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香港の人から「歴史のあることをやっとけ」と言われて
7級・合気道歴1年・男性・30代
合気道をやろうと思ったキッカケはなんですか?
いろいろあるんですけど、押井守監督だったと思うんですが、50歳過ぎてから体の使い方が上手になりたいと空手を始めた、みたいな話を読んで、へーって思ってたんです。
あ、それもしかして今野敏さんと対談してる『武道のリアル』? 私も読みましたよ。面白い本よね。
だけど体を上手に使いたいなら、なんで空手なんだ。合気道の方がいいんじゃないと思ったけど(笑)
その本じゃないですね。それは読んでないです。たぶん、別の何かで読んだんだと思います。
それまで武道を意識もしてなかったんですけど、上手に使うために空手なんだと、なんか頭に残ってたんです。
空手もいろいろだけど、たいがいの武道は自分の身体を壊してしまうような動きはしないで、極力気配を出さず、予備動作なしに合理的に強い力を出すように動くから。
なかでも接触の多い合気道は、接触した状態で自分の姿勢や動きを制御するからいいはずだけどね。
それでそれよりずっと後で、あるダンスの先生から軸について教えてもらって。合気道でも軸を重要視するそうだと聞いたんです。
それで合気道に興味が出てきたんです。
あー、軸ね。軸ってどこでにもどうにでも設定出来るから難しいけど、体軸という意味なら養神館合気道はすごく重視してるよね。
もう経験してるから分かると思うけど、構えとか中心力は強い体軸で作る。他の合気道では、そういう発想は、まずないから。
そうなんですか。
ぜんぜん知らないで、うちに入ったの?(笑)
一番の理由は、道場が近かったからで(笑)
それと仕事でやりとりしてた香港人のおじさんが「自分の国の、歴史のあることをやっとけ」と力説してて、それも頭にあったんです。
具体的にはどういうこと?
たとえば香港でも家でお茶をのむとき、中国茶の茶器で作法で淹れる人はとても少ない。ペットボトルが主流だ。
グローバルとか言って世界中で同じことしてたら、どこに行っても同じじゃねぇかって言うわけですよ。
へー、香港でそうなんだ。
イメージでは路地裏でも中国の茶器で淹れてる感じだけどね。映画とかで、ぽさを出す演出のせいかもね。
だからおじさんも嘆くわけですよ。何が違うんだって。
だけど合気道だって、そんなに歴史ないよ。
戦前から戦後にかけて成立した現代武道だよ。
そうなんですか!?
でも伝統的であることは間違いない。合気道は日本の武術のエッセンスだというけど、剣術や柔術の理合いや技法だけじゃなく、思想も確実に受け継いでる。
植芝盛平先生の「合気道は愛だ」は特別だとしても、戦国時代が終わって太平の世の剣術の存在意義を柳生が活人剣を提唱したり、ラフカディオ・ハーンが『東の国より』で「柔術は最も厳密な意味での自衛術である」と紹介してたりね。
殺傷術とか自分から攻めていく格闘術ではないという発想が、日本の武術には脈々と流れてる。
へー。建前じゃなくてですか?
いや建前(笑) 建前だけど、どれほどの強さの建前かで全然違うと思うよ。
柔道や剣道で勝ってもガッツポーズするなというのは、そういう自制とか精神性だと思う。勝つためなら何をしてもいいという考え方じゃないし、そうなりがちなのを抑制してる。
合気道は、この位置に立てば何でもできるじゃないというところからでも回したりして、ひどいことをしない。制することができれば無傷の方がいいという思想。理想だとしても、日本武術の思想をきっちり受け継いでると思うよ。
『武道のリアル』で今野敏さんは、格闘術はデカくて重い方が有利。それをなんとかするために武術が生まれた。要するに武術はズルイことを考えた結果だと。
そのズルイ技術やコツが集積されて、あるとき植芝盛平というとんでもない人が生まれたと言ってて。まあ正面から殴り合ったりしないから、ズルイっちゃズルイ(笑)
それでね、精晟会渋谷に入会してからほぼ1年だけど、変化はありましたか?
自分ではスーツとかジャケットが、前より似合うようになったと思います。
何それ? 大胸筋が分厚くなったってこと?
違いますよ。姿勢が良くなったと思います。
ああー、それは良くならないとね(笑)
肩が後ろにいって胸を開くだけで、ジャケットの胸は様になってくるしね。そういう姿勢も養神館だけだわ。
動きはどうですか?
自分では良くなったと思いますよ。
確かに良くなってるよね。上達著しいと思います。このところ一番稽古してるしね。
ありがとうございました。
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