養神館合気道 渋谷合気道会の会員に、
いろいろ聞いてみました。
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養神館と合気会の両方の合気道で
二段・合気道歴11年・男性・50代
指導者資格合格おめでとうございます。
どうでした、本部での審査は?
技は本部系の初段の技でしたのでなんとか出来ましたけど、護身技とかはやったことなかったので、先生に教えていただいたことが役立ちました。
ホントかよ(笑)
前から抱え込まれるとかやったことなかったので、教えられてなかったら困ってたと思います。
私だってアドリブだよ。そんなのやったことないし。
半身になってずらすとか、重心を落とすとか、教えられてなかったら自分だけでは絶対やってなかったと思います。
あー、タックルとはちがうけど抱きつかれた状態からだから、力をまともに受けないというのは原則だから。力を流してバランスを崩すところからやらないと、技もなにも‥
護身技自体は以外は簡単だった?
指導法の説明は19技あるから、ちゃんと覚えるのも、それはやっぱり大変でしたね。それを5分間で説明し切るというのは、こんなに大変なのかと。
途中でもう、やめようかと思いましたから(笑)
まあそういうハードルを越えて来たというのは、大きな意味あるよね。
それで養神館合気道(二段)をやり、合気会(初段)もやり、またうちで養神館をやってるわけだけど、うちで昇級昇段したわけじゃない。指導者資格は、うちで取れて良かったです。(Uターンされるので、入会時から渋谷合気道会にいるのは1年強というのが決まっていました)
それで、そもそも合気道をやりたいと思ったのは、どうしてなんですか?
大学が中国語学科で、当時中国武術に興味を持ったんです。体験に行ったりもしたんですが、そんなときに、たまたま知り合いから大東流をやってみないと誘われて。
大学の部じゃなくて町道場なんですけど、それが日本の武術の始まりだったんです。
半年ぐらいしか続かなかったんですけど。
それで就職したりして何もやってなかったんですけど、40過ぎたときに、また何かやりたいなとなって。大学のときにやった大東流合気柔術の小手返しとか、ニヶ条とか極められたら面白いだろうなと思ったんです。
なになに、小手返しとかニヶ条とか、できるようにならなかったの?
まあ、半年ですから、あんまり
そうかそうか。またなんで半年でやめちゃったんですか?
んん~、思想的に厳しいところで。先生が「〇〇流をやってると、▫︎▫︎だから××になる」とか言うし。
なにそれ!? そんなの批評でも批判でもなくて、ただの誹謗中傷よね。今だったら、一発アウトかな。かなり人格的に問題がある指導者ってことね。
まあ武道武術の先生は、問題がある人多いけど(笑)
それで合気道やろうとなって、あちこち見学にいったりして。最終的に、養神館本部から独立された外国人の先生のところに入門したんです。初段まで取ったんですけど、先生が母国に帰っちゃう。いろいろあって、道場なくなるよって話になって。
道場なくなるタイミングで、別の外国人の先生が道場を開いて、道場生を引き継ぐ形になったんです。そこで二段を取らせてもらって、だけどそのあとコロナ禍になっちゃって。2020年の3月の稽古が最後で、先生は国に帰っちゃったんです。
当時は出国したら、もう入国できないってことで、うちの道場どうなってるのかなぁって感じだったんですけど。
結局、消滅しちゃったみたいで(笑)
なんの連絡もないの。メールの1通も!?
もう日本に行けません、みたいな連絡もない?
そうなんですよ。まったく何もなく、養神館のページからも消えて、だからもう(笑)
で、その前から実家に帰えることが決まってたんで、合気会本部に入ったんです。Uターンしたら合気会の道場しかないですから、今のうちに合気会でやっとくのがいいかなと。
それは、いつごろ?
2016年です。だから内緒で併修してました。
へー、すごいな。
合気会本部でやってたんですけど、所属してた養神館の道場は消えちゃった。
でも養神館の合気道もまだやりたいなと思ってて、検索してて瀬川先生の道場を見つけて入らせていただいたという流れなんです。
なんで、うちだったの?
それは、和気あいあいとやってるのがいいなと思って(笑)
YouTubeやSNSの動画見て、これだけ距離が近い先生がいらっしゃるのかと(笑)
寺田先生の技をやってみたいのはあったんですけど、1年やそこらではなかなか難しいだろうなと思ってました。
ぶっちゃけた話で、和気あいあいがポイントなのね。そうなると、うち一択だね(笑)
なんで和気あいあいを求めたんですか?
あの最初の外国人の先生が体育会系というか、プランク5分間、腹筋100回とか準備体操を毎回30分ぐらいやるんです。だから合気道の準備体操ってそんなもんなんだろうと思ってました。もう構えをやるころには、腕もぷるぷるになってて。
ああ、力を抜くにはいいけどねぇ(笑)
それは準備体操じゃなくて補強だわ。正直なところ、それぐらいの運動は出来て当たり前だと思うけど、家でやっとけよ、だわ。稽古時間でやるのは、時間がもったいない。
例えば演武大会に異様に力入れられていて、あんまり上手く出来ない人には、かなりキツく怒られたり。年齢も年齢なんだから、動きが悪くてもしょうがないんじゃないかと思ったんですけど、怒られてただけじゃなく、そんなんじゃ続けても意味がないみたいなことで退会させられたり。
出ると言っていて、仕事の都合とかで出場できなくなった人が破門されたりとか。
演武大会に出ないと破門!? そんなことで?
なるほど、養神館の先生はヤバめな人っていう刷り込みがあったのね(笑) だけどうちが和気あいあいって、動画上のフェイクだっていう疑いはなかったの。入ったら、実はぜんぜん違うとか(笑)
逆にゆるすぎるんじゃないかと思うことは、ありますよ(笑)
入って最初に驚いたのは、瀬川先生が「始めます」と声かけして整列した。
だいたいどこの道場も、時間前に来て正座して先生を待ってる。ここは誰も待ち構えてない(笑)
あー、そこね。他の道場を知ってると違和感あるよね。
うちは最初、中目黒と表参道で平日の夜に始めたんです。そうすると会社を抜け出して来くる人もいるけど、多くの人は仕事が終わってから。だから、なかなか時間通りには来られない。
なので、遅れてくるのが普通という前提でやりだしたからね。
最初に入った養神館の道場は、遅れると怒られましたから。
15分前には来てるし、遅れた場合は畳の手前で正座して待つという決まりでした。
うちしか知らない人には、ぜんぜん分からない話だわ。まあでも、土日だって皆さんいろいろ都合があるし。
ただ、ゆるいばかりで規律がないのは困るので、何度か言ったんです。遅れて来たら、私と礼をするまで、ストレッチとか自分で勝手にやるなと。私の隙を見て、すぐに礼ができるように近くで待ち構えてろって。
最低限の規律がないと、稽古してる人とぶつかったりね。剣杖を持ち込むんだから。
こないだね、こんな話をしたんです。
「正面に礼、先生に礼、お互いに礼」の正面に礼って、どういうことかと。家建てたりビル建てたりするときに、地鎮祭というのをやる。四隅に竹を立てて、縄を張って結界を張って、そこを神聖な場所として扱う。神主が祝詞を唱えて、土地の神様に建築することを報告する。許しを得る。
じゃあ、正面ってどういうことなのか。神棚があれば、そこに神様が訪れる。だけど神棚がない正面には神様が訪れるのか? そもそも結界という言葉は仏教・密教のもの。私が思うのは、神道だ仏教だということじゃなくて、日本は八百万の神々だし、森羅万象に神を感じる。
地鎮祭で来るのは、たいがいがニセ神主だけど(笑) それでも今この時は聖なる場所ですよとすれば、みんながそれに従って、工事が無事に終わることを祈願する。
稽古場所も「正面に礼、先生に礼、お互いに礼」と挨拶すれば、日常からは切り離した場所になる。切り離したスペースにしているのは、先生。何もない場所で神様がいなくても、先生が「こっちが正面だ」と宣言すれば、正面になる。それでみんなが、ひとつの目的に合わせる、日常とは異なる場。神道的な形式を借りてるだけだけど、それで規律をつくる。便利な発想なら借りとけばいい。
ところで和気あいあい以外では、どうでした。入ってみて?
今まで型を繰り返すだけで、理合とかを教えてもらったことはなかったので、とても参考になりました。崩しは、これ合気会の稽古でも使えるなというのが多くて、動きも一致するし。
へー、そうなんだ。
合気会本部の稽古で理合は教えてくれないの?
まあ、そんな先生はあんまりいらっしゃらないですねぇ。ほとんどが先生が手本を見せて、はいどうぞ、やってください、ですね。
合気会と養神館で違いはあります? 技でも稽古法でもなんでもいいんですけど。
養神館だと、カッチリ型通りに稽古してるじゃないですか。渋谷合気道会は、ちょっと応用が入っていて、そこが面白いんですけど。
合気会だと、先生によっても違うし、やる人によってもぜんぜん違う。どこの先生の系統なのかで、違ってるんでしょうけど。これって同じ四方投げなのかというぐらい、人によって違いますね。片手取り四方投げでも、持つ前に技に動いたりしますし。
ああーそれは本来、ゴツい人に持たれたら終わりだから、持たれる前に処理するのが当然だと思うけど。だけど持たれる前に技に入れるのは、型稽古のお約束で分かってるからで、不意に持たれたらどう出来るか、だよね。基本技と自由技の違いが、養神館だと明確。合気会の本部だと、いろんなところから稽古に来るから、違いが際立つのかもね。
あと、裏に入る転換技が多いなって感じがします。
それは逆に養神館が、前に出て止める入身技というか、(一)の技が多いんだと思うよ。たぶん養神館合気道技術全集、ビデオ版を作ったときに、どの技にも(一)(ニ)を入れたんじゃないかな。あえて(笑) 思想として、まずは止めることから、みたいなことがあると思うけど、自由技になると入身して前で止めるのは、それほどないし。
養神館の場合は、型原理主義みたいな先生が多いかもね。こう受けろ、みたいなところまで。
もちろん初心者はそれでいいけど、それは技が出来てるんじゃないくて、型の動きができてるだけ。黒帯になったら、どうしてこの技が成り立つのかが分からないと。
YouTubeに[有段者はシレッと肘の向きぐらいは察知できないとダメかも]って動画を上げてるけど、肩持ちとか胸持ちは、こういう風に持てって基本型としては決まってるじゃない。
私は抑え技は手を横に、投げ技は縦にして持ちなさいと教えられました。
それって、技が成り立つようにしているだけなのよ。
でも有段者が、それでいいのって? 術理が分かってないと、養神館の人同士で型稽古やってる分にはいいけど、他の合気道やほかの武道の人と稽古したら、まったく掛からないかも。
まあ普通は、先生が教えないのかもね。分かってない先生もいるかもしれないし、教えたところで、なかなか出来ないし(笑) だけど教えてもらわないと、めちゃくちゃ時間かかる。私は松尾正純先生に、かなり教えてもらって感謝してます。
今まで習った養神館の先生方は、英語で説明されてたんです。私は英語できないし、細かなところは分からない。瀬川先生は、日本語で細かいところまで分かりやすく説明されるので、それだけで衝撃的で(笑)
呼吸力を英語で説明するのは難しいよね、そもそも(笑) 心法的なニュアンスなんかは、英語で聞いてもね。
それで最後に、お聞きします。合気道をやって変化したことはありますか?
継続は力なりじゃないですけど、長く続けることには意味があるなと思いました。
最初のころは、こりゃあ出来ないわと思ってたんです。技の動きが頭に入って来ないし、覚えは悪いし。それが継続しているうちに出来るようになってきて、やっぱり継続することが大切なんだな。そうしないと身に付かないというのが分かってきて。
それは合気道以外の、なんにでも通じることなんだなと思うようになりました。
なんだそれ(笑) そんなこと合気道やらなくたって、分かるじゃない(笑)
いや、ありがとうございました。地元に戻られても、ぜひ続けられてください。
そうでしょ。それって、技が成り立つようにしているだけなのよ。
でも有段者が、それでいいの? お約束過ぎないかって。
術理が分かってないと、養神館の人同士で型稽古やってる分にはいいけど、他の合気道やほかの武道の人と稽古したら、まったく掛からないかも。
まあ普通は先生が教えないのかもね。分かってない先生もいるかもしれないし、教えたところで、なかなか出来ない(笑) だけど教えてもらわないと、めちゃくちゃ時間かかる。私は松尾正純先生に、かなり教えてもらって感謝してます。
何より今まで習った養神館の先生は、英語で説明されてたんです。私は英語できないし、細かなところは分からない。瀬川先生は、日本語で細かいところまで分かりやすく説明されるので、それだけで衝撃的で(笑)